地方銀行64行の実力ランキング【2020年版】預貸金残高・預貸率・経常利益・自己資本比率で比較

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5.優良行と経営難の地銀が分かれた要因

ここまで見てきて、ひとことで地方銀行と言っても、色んな規模があることが分かりました。

また、利益の金額や自己資本比率が示すように、優良行と経営難の地銀が生じています。

なぜ、このような差が生じたのでしょうか?

①人口減少

一番大きな理由は、人口減少です。

全国的に人口が減っているのは周知のとおりですが、大都市圏はむしろ増えているところもあり、地域によって事情が異なります。

(都道府県別の人口推移)

2010年 2018年 増減率
北海道 551万人 529万人 96.0%
青森県 137万人 126万人 92.0%
岩手県 133万人 124万人 93.3%
宮城県 235万人 232万人 98.6%
秋田県 109万人 98万人 90.3%
山形県 117万人 109万人 93.2%
福島県 203万人 186万人 91.9%
茨城県 297万人 288万人 96.9%
栃木県 201万人 195万人 96.9%
群馬県 201万人 195万人 97.2%
埼玉県 720万人 733万人 101.9%
千葉県 622万人 626万人 100.6%
東京都 1,316万人 1,382万人 105.0%
神奈川県 905万人 918万人 101.4%
新潟県 237万人 225万人 94.6%
富山県 109万人 105万人 96.1%
石川県 117万人 114万人 97.7%
福井県 81万人 77万人 96.0%
山梨県 86万人 82万人 94.7%
長野県 215万人 206万人 95.9%
岐阜県 208万人 200万人 96.0%
静岡県 377万人 366万人 97.2%
愛知県 741万人 754万人 101.7%
三重県 186万人 179万人 96.5%
滋賀県 141万人 141万人 100.1%
京都府 264万人 259万人 98.3%
大阪府 887万人 881万人 99.4%
兵庫県 559万人 548万人 98.1%
奈良県 140万人 134万人 95.6%
和歌山県 100万人 94万人 93.3%
鳥取県 59万人 56万人 95.1%
島根県 72万人 68万人 94.8%
岡山県 195万人 190万人 97.6%
広島県 286万人 282万人 98.5%
山口県 145万人 137万人 94.4%
徳島県 79万人 74万人 93.8%
香川県 100万人 96万人 96.6%
愛媛県 143万人 135万人 94.5%
高知県 76万人 71万人 92.4%
福岡県 507万人 511万人 100.7%
佐賀県 85万人 82万人 96.4%
長崎県 143万人 134万人 94.0%
熊本県 182万人 176万人 96.7%
大分県 120万人 114万人 95.6%
宮崎県 114万人 108万人 95.2%
鹿児島県 171万人 161万人 94.6%
沖縄県 139万人 145万人 103.9%
(合計) 1億2806万人 1億2644万人 98.7%

地銀上位に顔を出す横浜銀行福岡銀行千葉銀行などは、いずれも多くの人口を抱える大都市圏にあります。

地銀は地元経済に強い影響を受けるので、人口が少ない自治体・人口が減少する自治体に本店を置く地銀は、圧倒的に不利なのです。

もはや、一県一行主義のビジネスモデルは完全に破綻していると言えます。

②低金利政策

二番目の理由は、低金利政策です。

もともとデフレで低金利が続いた上、アベノミクスでも超低金利政策が進められたため、金利収入は減少の一途。

これに対し各銀行は、金利がとれる消費者ローンや手数料ビジネスを推進しましたが、やはり人口が多い大都市圏の方が有利です。

③経営戦略

これは、上記2つよりは影響が少ないと思っています。

地域経済に縛られるうえに、監督官庁の規制が厳しい地方銀行は、独自の経営戦略を打ち出しにくいのです。

だからと言って、何もしなくて良い訳ではありません。

スルガ銀行は、高金利のシェアハウス向け融資やアパートローンに特化して、高収益をたたき出していました。

結果として上手くいかなかったものの、戦略次第で収益を上げる可能性があることを示したと思います。

山口銀行は、市場が大きい福岡県に「北九州銀行」を新設して、勝負をかけています。

これらの挑戦にはリスクがつきまといますが、挑戦しない地銀に未来はないでしょう。

◆まとめ

という訳で今回は、地方銀行64行を様々なランキングで紹介してきました。

地方銀行の再編は待ったなしの状態であり、2020年も大きな動きが出てくると思います。

数年後には、地銀の数が大きく減っているかもしれません…

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◆各銀行のデータ(決算・頭取・基幹システム等)

メガ・信託・ネット

0001 みずほ銀行
0005 三菱UFJ銀行
0009 三井住友銀行
0010 りそな銀行
0017 埼玉りそな銀行
0033 paypay銀行
0034 セブン銀行
0035 ソニー銀行
0036 楽天銀行
0038 住信SBIネット銀行
0039 auじぶん銀行
0040 イオン銀行
0041 大和ネクスト銀行
0042 ローソン銀行
0043 みんなの銀行
0044 UI銀行
0288 三菱UFJ信託銀行
0289 みずほ信託銀行
0294 三井住友信託銀行
0297 日本マスタートラスト信託銀行
0300 SMBC信託銀行
0304 野村信託銀行
0307 オリックス銀行
0310 GMOあおぞらネット銀行
0311 農中信託銀行
0320 新生信託銀行
0321 日証金信託銀行
0324 日本カストディ銀行
0397 SBI新生銀行
0398 あおぞら銀行
0401 シティバンク、エヌ・エイ
0402 ジェーピーモルガン銀行
0403 アメリカ銀行
0411 香港上海銀行
0430 ドイツ銀行
0472 SBJ銀行
9900 ゆうちょ銀行

地方銀行

0116 北海道銀行
0117 青森銀行
0118 みちのく銀行
0119 秋田銀行
0120 北都銀行
0121 荘内銀行
0122 山形銀行
0123 岩手銀行
0124 東北銀行
0125 七十七銀行
0126 東邦銀行
0128 群馬銀行
0129 足利銀行
0130 常陽銀行
0131 筑波銀行
0133 武蔵野銀行
0134 千葉銀行
0135 千葉興業銀行
0137 きらぼし銀行
0138 横浜銀行
0140 第四北越銀行
0142 山梨中央銀行
0143 八十二銀行
0144 北陸銀行
0145 富山銀行
0146 北國銀行
0147 福井銀行
0149 静岡銀行
0150 スルガ銀行
0151 清水銀行
0152 大垣共立銀行
0153 十六銀行
0154 三十三銀行
0155 百五銀行
0157 滋賀銀行
0158 京都銀行
0159 関西みらい銀行
0161 池田泉州銀行
0162 南都銀行
0163 紀陽銀行
0164 但馬銀行
0166 鳥取銀行
0167 山陰合同銀行
0168 中国銀行
0169 広島銀行
0170 山口銀行
0172 阿波銀行
0173 百十四銀行
0174 伊予銀行
0175 四国銀行
0177 福岡銀行
0178 筑邦銀行
0179 佐賀銀行
0181 十八親和銀行
0182 肥後銀行
0183 大分銀行
0184 宮崎銀行
0185 鹿児島銀行
0187 琉球銀行
0188 沖縄銀行
0190 西日本シティ銀行
0191 北九州銀行

第二地銀

0501 北洋銀行
0508 きらやか銀行
0509 北日本銀行
0512 仙台銀行
0513 福島銀行
0514 大東銀行
0516 東和銀行
0517 栃木銀行
0522 京葉銀行
0525 東日本銀行
0526 東京スター銀行
0530 神奈川銀行
0532 大光銀行
0533 長野銀行
0534 富山第一銀行
0537 福邦銀行
0538 静岡中央銀行
0542 愛知銀行
0543 名古屋銀行
0544 中京銀行
0562 みなと銀行
0565 島根銀行
0566 トマト銀行
0569 もみじ銀行
0570 西京銀行
0572 徳島大正銀行
0573 香川銀行
0576 愛媛銀行
0578 高知銀行
0582 福岡中央銀行
0583 佐賀共栄銀行
0585 長崎銀行
0587 熊本銀行
0590 豊和銀行
0591 宮崎太陽銀行
0594 南日本銀行
0596 沖縄海邦銀行

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