「口座を凍結されるかもしれない」
債務整理を考え始めてから、何度も頭をよぎった言葉です。
でも、その不安が一番リアルになったのは、法律の話を聞いたときではありません。
給料日の朝でした。
銀行から「口座を凍結します」という通知は来ていません。
それでも、弁護士からははっきりとした指示が出ていました。
◆弁護士から出た“現実的すぎる指示”
受任通知書を発送する前、弁護士事務所からLINEでこう言われました。
- 受任通知書発送後、A銀行の口座は凍結される可能性があります
- 1月24日(金)に給与を全額引き出してください
- 2月以降の給与振込口座は必ず変更してください
抽象論ではありません。
具体的な日付と、やるべき行動がはっきり示されていました。
この時点で、「ああ、もう後戻りできないな」と実感しました。
🔍ミニ解説|口座凍結とは?
債務整理の手続き中、銀行が預金口座の出金や引き落としを一時的に制限する状態を指します。
特に同一銀行で預金とカードローン等がある場合、預金が返済に充てられたり、給与が引き出せなくなることも。
そのため、受任通知前後の資金移動には注意が必要です。
◆給与振込口座だったA銀行の状況
問題のA銀行は、単なる普通預金口座ではありませんでした。
- キャッシュカード一体型のクレジットカード
- 普通預金+自動貸越型カードローン
- 貸越限度額:100万円
自動貸越型の口座は、残高があるように見えても、実際は「借入」で成り立っています。
給料が振り込まれると、一時的にマイナスが減る。
でも、構造としてはずっと借金と隣り合わせです。
◆給料日の朝、ATMで限度額いっぱいまで引き出した理由
1月24日(金)。
その月は25日が土曜日だったため、給料は前倒しで24日に振り込まれました。
指示通り、朝のうちにA銀行のATMへ向かいました。
そして、貸越限度額いっぱいまで引き出しました。
正直、罪悪感はありました。
「ここまで引き出していいのか?」と、カードを入れたまま一瞬手が止まりました。
でも、現実問題として、引き出さなければ生活が回りません。
元々、100万円近くまで貸越があった状態です。
給料が入ってマイナスが減っている今のタイミングで引き出さないと、
この先の食費も、住宅ローンの支払いも、どうにもならなくなる。
迷っている余裕はありませんでした。
◆口座は凍結されたのか?正直、今も分からない
その後、A銀行から
「口座を凍結しました」
という通知は来ていません。
ただし、それ以降、一切その口座には触っていません。
理由は単純です。
A銀行は自動貸越型口座なので、すでにマイナス残高。
ここで引き出す行為は「新たな借り入れ」に該当する可能性があります。
弁護士からも、
「受任後は新規借入は絶対にしないでください」
と、強く言われていました。
凍結されたかどうかは、今も分かりません。
でも、「触らない」という選択を取りました。
◆児童手当2万円を“引き出さなかった”判断
2月10日(月)。
児童手当の振込日でした。
指定口座はA銀行。
慌てて市役所に電話をしましたが、振込先変更は間に合わないと言われました。
結果、A銀行に2万円が振り込まれました。
2万円は大きいです。
債務整理を考えるほど、お金に困っている身にはなおさらです。
それでも、私はその2万円を引き出しませんでした。
理由はただ一つ。
それが「借り入れ」になってしまう可能性があったからです。
手続きが失敗する方が、もっと困る。
そう思って、諦めました。
◆給与振込口座を変更するという地味にキツい作業
次にやったのが、給与振込口座の変更です。
会社の人事部に申請書を出すだけ。
書類上は簡単です。
ただ、「変更理由」を書く欄がありました。
ここで、少し悩みました。
住宅ローンのあるB銀行に変更するのが自然にも思えましたが、
B銀行には債務整理予定のカードローンがあります。
そこを給与口座にするわけにはいきません。
結局、
「E銀行に勤務している親戚から勧誘された」
という理由で、E銀行に変更しました。
2月25日(火)の給料分から変更が反映されていなければ、
給料を引き出せず、生活が止まります。
ちゃんと手続きが進んでいるか、人事部に確認したりもしました。
少し変に思われたかもしれません。
◆住宅ローン口座だけは“触らない”という選択
B銀行については、判断が難しいところでした。
- 普通預金口座を通じて住宅ローン返済を継続中
- 凍結されていない可能性もある
ただ、住宅ローン返済額以上のお金を入れて、
もしカードローン返済に回されたら困ります。
そのため、
住宅ローン返済額ぎりぎりだけを入金する
という対応を取りました。
凍結されていなくても、安全とは限らない。
そう考えています。
◆まとめ|口座凍結は“起きたかどうか”より“どう備えるか”
口座凍結が実際に起きたのか。
正直なところ、今も分かりません。
でも、
- 給料を事前に引き出した
- 振込口座を変更した
- 危険な口座には触らなかった
この段取りのおかげで、生活は守れました。
債務整理は、法律の話より前に、
日常生活を止めないための準備が重要だと感じています。
この記録が、
同じように給料日を不安に迎えている誰かの役に立てば嬉しいです✨
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