「借金がゼロになります」
「消費者金融からの督促がピタリと止まります」
「国が認めた救済措置です」
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債務整理の広告を見ていると良いことばかりが書いてありますよね?
広告だから良い面が強調されるのでしょうが、債務整理にはデメリットも存在します。
今回はあえて、思いつく限りのデメリットを紹介していきたいと思います。
◆債務整理の方法によって変わる
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債務整理のデメリットは、債務整理の方法によって変わってくるので、少し説明しておきます
前提として、債務整理には、
❶任意整理
❷自己破産
❸個人再生
❹特定調停
の4つの方法があります。
❶任意整理は、お金を返せなくなった債務者と金融機関が裁判所を通さずに話し合い、利息カットなどで和解する手続きです。
❷自己破産は、お金を返せなくなった債務者が裁判所へ申立てることによって、借金をゼロにする手続きです。
❸個人再生は、裁判所を通して借金を大幅に減額してもらった上で、原則3年の分割払いをしていく手続きです。
❹特定調停は、裁判所が仲介役となって債務者と各債権者との和解の成立を支援する公的な手続きです。
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それでは、これらの手続きから生じるデメリットを見ていきましょう
①ブラックリストに載る?
債務整理をすれば、例外なくブラックリストに載ります。
ブラックリストとは通称で、CICやJICCなどの信用情報機関に事故情報が登録されることを「ブラックリストに載る」と表現しているのです。
株式会社シー・アイ・シー:クレジットカード系の信用情報機関
株式会社日本信用情報機構:消費者金融系の信用情報機関
個人信用情報は金融機関が情報を共有するので、ある金融機関が事故情報を登録すると他の金融機関でも借金が出来なくなります。
債務整理をすればブラックリスト掲載は避けられませんが、登録期間は5年から10年です。
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債務整理で取り決めた額をきちんと返済して、ブラックリストから早く消してもらいましょう
②官報に載る?
官報に載るのは「自己破産」「個人再生」の場合のみです。
これらの手続きを行うと、住所氏名と債務整理を行っている事実が官報に掲載され公開されてしまいます。
ただし、官報の細かい部分を見ているのは一部の人のみです。
- 信用情報機関
- 金融機関
- 不動産会社
- 名簿業者
- 闇金業者
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一般の人が官報を見る機会は皆無なので、あまり気にする必要はないでしょう
③保証人に迷惑がかかる?
債務整理をすれば、金融機関は保証人に一括返済の請求を行います。
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間違いなく保証人に迷惑がかかります
ちなみに、自己破産をすれば債務者は借金ゼロになりますが、保証人の返済義務は100%のままです。
個人再生をすれば借金は8割~9割が減額されますが、保証人の返済義務は減額されません。
債務整理は保証人に厳しい手続きなのです。
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対策としては「任意整理」や「特定調停」を選んで、保証人が付いている借金を対象から外すと良いでしょう
④仕事を失う?
サラリーマンの場合、債務整理をしたからクビになるということはありません。
ただし「自己破産」の場合は注意が必要です。
破産を欠格事由としている以下のような業種は、一時的に業務を行えなくなるのです。
- 弁護士(弁護士法7条4号)
- 司法書士(司法書士法5条3号)
- 行政書士(行政書士法2条の2 2号)
- 公認会計士(公認会計士法4条4号)
- 税理士(税理士法4条2号)
- 宅地建物取引士(宅地建物取引業法18条1項2号)
- 警備員(警備業法14条1項)
- 公証人(公証人法14条2号)
- 交通事故相談員(交通安全活動推進センターに関する規則4条1項2号)
- 固定資産評価員(地方税法407条1号)
- その他
欠格期間は「復権を得るまで」なので、免責許可の決定が確定すればこれまで通り業務を行えます。
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実質的な欠格期間は数ヶ月程度となるでしょう
⑤会社にバレる?
債務整理をしたからと言って、会社に報告する義務はありません。
基本的に会社にバレることはありません。
例外的にバレるケースとして考えられるのは以下の5点です。
- 勤め先が金融機関である
- 会社に借金がある
- 会社や同僚が保証人となっている
- 官報からバレる
- 給料が差し押さえられる
5のケースですが、債務整理をしたからといって、給料が差し押さえられることはありません。
しかし、債務整理で決められた返済が滞れば、給料を差し押さえられることは考えられます。
通常は差し押さえ前に訴訟手続きが必要ですが、特定調停の場合はその必要がないためいきなり差し押さえがきます。
給料差し押さえ通知は会社宛にくるので、100%バレると思って差し支えないでしょう。
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対策としては、当たり前ですが債務整理で決められた返済をキッチリ行うことです

⑥家族にバレる?
債務整理は「債務者」と「金融機関」との問題なので、原則として家族に連絡が行くことはありません。
そういう意味で、家族にバレることはありません。
しかし、以下のケースでは家族にバレることも考えられます。
- 家や車が処分されるケース
- 官報
- 家族が保証人
- 郵送物や電話
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対策としては「任意整理」や「特定調停」を選んで、家族にバレそうな借金は除外することです

⑦親戚や知人にバレる?
親戚や知人にバレる可能性は、会社や家族にバレる可能性より低いです。
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家が処分されたらさすがにバレるかもしれませんが…
考えられるのは、まず会社や家族にバレて、そこから2次的に広がっていくケースでしょう。
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対策としては、まず会社や家族にバレないようにすることです
⑧家を失う?
家を失うのは「自己破産」の場合のみです。
任意整理、特定調停は対象の借金を選べるので、家を失いたくなければ住宅ローンを除外すればいいです。
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デメリットとしては、住宅ローンは返済額が大きいので、債務整理の効果が限定的となります
個人再生は一定の条件をクリアすれば、住宅を残してもよいことになっています。
⑨車を失う?
債務整理すると、車を手放さなければならないケースがあります。
1つ目のケースは、車のローンがあって、車の名義が金融機関になっていて、そのローンを整理するケースです。
この場合、車は引き揚げられて売却され、ローンの弁済にあてられることとなります。
2つ目のケースは、自己破産で財産が一定以上であると見なされ「管財事件」となるケースです。
車に大きな経済的価値があると見なされれば、車は強制的に売却され、各債権の弁済に充てられることとなります。
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対策としては、任意整理や特定調停を選び、車のローンを除外することです
⑩戸籍や住民票に記載される?
債務整理をした事実が戸籍や住民票に記載されることは一切ありません。
なので、普通の人が債務整理をした情報が公的書類からバレることはありません。
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ただし一つだけ考えられるのは、本籍地の市町村役場にて作成される破産者名簿です
弁護士や公認会計士などは、破産手続開始決定を受けてから復権をしていないとなれないため、「破産宣告を受けていない」という証明書を提出しなければなりません。
この証明書を市町村役場が作成するため、破産者名簿が必要となるのです。
破産者名簿は非公開で、上記以外のケースでは使われないため、一般の人にはあまり関係がありません。
⑪クレジットカードを使えなくなる?
「自己破産」「個人再生」を行うと、所持しているクレジットカードは全て強制解約されて使えなくなります。
「任意整理」「特定調停」の場合、クレジットカード会社を対象から外せば、直ちに使えなくなることはありません。
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ただしブラックリストには登録されるので、クレジットカードの更新時の審査などで使えなくなるでしょう
債務整理後に新しくクレジットカードを作ることは、ブラックリストの関係で基本的にできません。
ブラックリストに登録される期間は、
- 任意整理…5年
- 自己破産…7年
- 個人再生…7年
- 任意整理…5年
といわれています。※信用情報機関により異なる
これらの期間が経過すれば事故情報は消えるので、新たにクレジットカードを作れる可能性が出てきます。

⑫スマホ(携帯電話)を使えなくなる?
本来、スマホ(携帯電話)と債務整理に因果関係はありませんでした。
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しかし最近はスマホの高額化にともない、スマホ本体を分割で買っている人が増えているので注意が必要です
スマホ分割払いの残金が残っている状態で「自己破産」「個人再生」を行うと、分割の返済ができなくなるので、スマホは強制解約されてしまいます。
「任意整理」「特定調停」の場合、スマホ分割払いを対象から外せば、使えなくなることはないでしょう。
スマホ本体の分割払い分だけでなく、利用料金の延滞分についても上記と同じ扱いとなります。
なお、債務整理の後にスマホを新規で買う場合、ブラックリストの関係で分割払いはできません。

⑬お金がかかる?
債務整理をするには、裁判所に払う費用と、法律事務所に払う費用が必要となります。
それぞれどれくらい必要になるかは、債務整理の方法や債権者の数などによって変わってきます。
- 任意整理…1社あたり5万円~10万円
- 自己破産…同時廃止:30万円〜50万円、管財人選任:50万円~70万円
- 個人再生…再生委員なし:50万円~60万円、再生委員選任:70万円~80万円
- 特定調停…数千円~
「特定調停」は法律事務所を介さず、裁判所費用もほとんどかかりません。
しかしその分成功率も低いため、あまり利用されていない方法となります。
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債務整理をするほどお金に困っているのに、数十万円という費用を払えるのでしょうか?
この疑問については、問題ありません。
ほとんどの法律事務所は、費用の分割払いに応じてくれます。
債務整理後、債権者に支払うお金は法律事務所に支払った後になるので、お金に困った債務者でも何とか払えるようになっています。

⑭就職や転職に影響する?
債務整理をしたことが就職や転職に影響することは、基本的にはありません。
選考の過程で、わざわざ債務整理のことを申告する必要はありません。
履歴書には「賞罰」を書くところがありますが、債務整理は犯罪ではありません。
債務整理をすればCICやJICCなどの信用情報に記載されますが、企業が本人の同意なくこれらの情報を取ることはできません。
例外として考えられるのは、金融機関に就職・転職するケースです。
信用が大事な金融機関は、選考の過程で借金のことなどを聞いてくることが考えられます。
金融機関でも勝手に信用情報は取れませんが、本人に信用情報の提出を求めることは考えられます。
もう一つ想定されるのは、入社直後にクレジットカードを作るシーンです。
カード会社は社員に自社のカードを作らせようとするでしょう。
最近はカード会社に限らず、流通系や飲食系であっても自社のクレジットカードがあったりします。
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私は新卒で地方銀行に就職しましたが、入社直後の説明会の机上には、給与振込口座と自社カードの申込書が置いてありました
これらの会社へ入社すると、半自動的にクレジットカードを申し込むこととなりますが、債務整理をしていればカード審査は通りません。
会社に「カード審査に通らなかった社員」と認識されることとなります。
このことが採用取り消しには繋がりませんが、微妙な空気となることは避けられないでしょう。
入社して最初の数カ月は試用期間だったりするので、居辛くなるかもしれません。
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しかし私は、債務整理をしたからと言って選択の幅を狭めることをお勧めしません
上記のようなシーンを想定した上で、自分が受けたい企業に挑戦するのがいいと思います。
⑮結婚や縁談に影響する?
債務整理をしたことが「結婚」という手続きに影響することはありません。
婚姻届の提出を制限する法律はなく、住民票や戸籍に“債務整理”が記載されることもありません。
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ただ皆さんが心配なのは 結婚する相手に債務整理を知られるのではないか ということですよね?
つまり「縁談」に影響するかというと、これはゼロではありません。
任意整理の場合は書類も少なく裁判所に行くこともないので、結婚相手に知られる可能性は低いです。
一方、自己破産や個人再生の場合は書類が多く裁判所も関与するので、やや難易度が上がります。
何より官報に住所氏名が掲載されてしまうので、興信所に身元調査をされるとバレる可能性は高くなるでしょう。
もちろん、結婚したからと言って夫婦どちらかの借金がもう一方に及ぶことはありません。
しかし、そもそも結婚生活とは夫婦の信頼関係で成り立つものです。
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多額の借金や債務整理の事実はできるだけ正直に伝えて、夫婦で乗り越えていった方が良いと思います
⑯罪に問われる?
債務整理が罪に問われることは、基本的にありません。
刑法に「借金を返さない罪」というのはありません。
あえて可能性があるとすれば、最初から返す意思がないのにお金を借りた場合です。
これは刑法第246条の詐欺罪が成立する可能性があります。
第246条
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
返す気がないのに「返します」と嘘をつくことが罪の構成要件となっています。
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皆さんのように「最初は返すつもりだったけど返済できなくなった」という場合には詐欺罪は成立しません

⑰訴えられる?
債務整理をすると、以下のようなケースで債権者から訴えられることがあります。
- 手続きが進まない
- 時効が近い
- 債務整理に応じない業者
1.は債務整理に着手したものの、和解条件が合わないなどの理由で手続きが進まないケースです。
貸金業者としては、手続きが進まなければ「支払う意思がない」とみなして訴訟を起こさざるを得なくなります。
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対策としては、債務者もスムーズに手続きが進むよう協力することです
2.は借金の時効(貸金業者の場合5年)が近いケースです。
貸金業者としては、債務整理の手続きを待っている間に借金が帳消しになったら困るから、訴訟によって時効をストップさせようとするのです。
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対策としては、時効をチェックして優先のものから処理することです
3.はそもそも債務整理に応じない貸金業者がいます。
そういう方針の貸金業者にに債務整理の通知を出すと、それに対する反撃方法として告訴してくるのです。
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対策としては、こういう業者は債務整理の対象としないことです

◆まとめ
という訳で今回は、債務整理のデメリットを考えられる限りご紹介してきました。
①ブラックリストに載る
②官報に載る
③保証人に迷惑がかかる
④仕事を失う
⑤会社にバレる
⑥家族にバレる
⑦親戚や知人にバレる
⑧家を失う
⑨車を失う
⑩戸籍や住民票に記載される
⑪クレジットカードを使えなくなる
⑫スマホ(携帯電話)を使えなくなる
⑬お金がかかる?
⑭就職や転職に影響する?
⑮結婚や縁談に影響する?
⑯罪に問われる?
⑰訴えられる?
どれもデメリットを受ける可能性はありますが、対応次第で避けることができたり、早く解消する方法があります。
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この記事が、借金に悩む皆さんの役に立てば幸いです✨
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