大谷翔平(おおたに・しょうへい)さんの通訳、水原一平(みずはら・いっぺい)さんによる巨額送金が謎を呼んでいます。
❶いつ送金したのか?
❷送金先は?
❸送金方法は?
今回は、巨額送金を巡る3つの謎を解説していきたいと思います。
❶いつ送金した?
1つ目の謎は「いつ送金したのか?」です。
巨額送金の時期は、2021年~2023年10月と見られます。
これは水原氏が米スポーツ専門局ESPNの取材に対し、2021年からボウヤー氏を相手に野球以外のスポーツ賭博に興じていたことを認め、
大谷選手に借金の肩代わりを頼んだ。大谷選手と2人で大谷選手のパソコンから口座にログインし、昨年10月まで8~9回に分けて50万ドルずつ送金した
と話しているためです。[1]
水原氏の証言に嘘が含まれている可能性はありますが、送金の時期は銀行の取引履歴からわかることなので、この部分は真実なのではないでしょうか?
❷送金先は?
2つ目の謎は「送金先はどこなのか?」ということです。
これは報道で明確になっていて、送金先はマシュー・ボーヤー氏とされています。
ボーヤー氏は元々ラスベガスで高額の賭博に興じていましたが、2011年に42万5000ドル(約6380万円)を失ったとして自己破産。
その後、自分で違法賭博の胴元というビジネスを開始し、2019年に会社を設立しています。
ただし、ボーヤー氏の弁護士によると、ボーヤー氏の顧客にアスリートはおらず、
ボーヤーはオオタニと話したことも会ったこともメールをしたこともない。彼が会ったり話したりメールをした相手はイッペイだ
と説明しています。[2]
❸送金方法は?
3つ目の謎は「送金方法はどのようにしたのか?」です。
前述のとおり水原氏は
大谷選手と2人で大谷選手のパソコンから口座にログインした
と話していましたが、後に、
大谷選手は賭博や借金、返済努力について何も知らなかった
と前言を翻しています。
大谷さんも会見で、
まず始めに、僕自身は、何かに賭けたりとか、誰かに代わってスポーツイベントに賭けたりとか、それをまた頼んだりということはないですし、僕の口座からブックメーカーに対して、誰かに送金を依頼したことなどはまったくありません。
と、送金への関与を否定。[3]
となると、水原氏は勝手に大谷さんの銀行口座から送金したことになりますが、そんなことは可能なのでしょうか?
ハッキング
まずハッキングという手法が考えられます。
高度なIT技術で銀行システムに侵入し、不正に送金するというやり方です。
しかし水原氏の経歴から見て、そのような知識や技術があったとは思えません。
口座を管理していた
それよりも、通訳兼マネージャーという立場で、銀行口座も含めて管理していた可能性の方が高いでしょう。
大谷さんの野球への集中力は半端ではなく、それゆえに日常生活をサポートする存在が必要です。
大谷さんが結婚したのは2024年になってからだと思われるので、それまでの女房役だった水原さんが口座を管理していても不思議ではありません。
口座開設に関与
あるいは、口座の管理までは任されていなかったものの、米国での口座作成を手伝っており、ログイン手段を知っていた可能性はあると思います。
そもそも多額の送金を行う際には本人確認が必要です。
これも、最初の段階で本人確認の連絡先を水原氏にしていたから、クリアできたのかもしれません。
アメリカに来たばかりの時なら大谷さんは英語が得意ではないため、こういうことも可能であったと思われます。
◆まとめ
という訳で今回は、大谷翔平さんの銀行口座からの送金に関する3つの謎を考えてきました。
メジャーリーグも本番を迎えるため、早くこの問題が収束することを願っています。
◇脚注
- 読売新聞 2024年3月26日 大谷翔平「僕自身は何かに賭けたり、僕の口座から送金を依頼したこともない」…初めて自らの言葉で経緯語る
- 日刊スポーツ 2024年3月24日 「オオタニの親友だから」胴元ボーヤー氏の弁護士が水原一平氏の巨額ツケを許した理由明かす
- NHK 2024年3月26日 【動画・声明全文】大谷翔平 自身の関与否定 水原氏の賭博問題
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